S&P500 一括投資 vs 積立投資|20年間のチャートシミュレーション(2003~2022年)

S&P500 20年

投資を始める際、多くの方が迷うのが「一括投資」と「積立投資」のどちらを選ぶべきか、という点です。まとまった資金を一度に投入すべきなのか、それともコツコツと積み立てていくべきなのか。この問いに明確な正解はありませんが、過去のデータを基にしたシミュレーションから多くの示唆を得ることができます。今回は 2003年〜2022年の20年間 を対象に、S&P500を用いたシミュレーション結果をご紹介します。


シミュレーション条件

  • 対象指数:S&P500
  • 投資期間:2003年1月〜2022年12月(20年間)
  • 一括投資:初期に 約503万4千円 を一括投資、追加積立なし
  • 積立投資:初期投資額0円、毎日1,000円を20年間積立(積立総額 約503万4千円)
  • 実質コスト:0.104% を反映

両方とも投資元本はほぼ同じ金額ですが、投資のタイミングが異なることで結果に大きな差が生まれました。


シミュレーション結果の概要

シミュレーション結果は以下になります。

  • 一括投資
     最終評価額:約2,082万円
     利益額:約1,579万円
  • 積立投資
     最終評価額:約1,193万円
     利益額:約690万円

同じ投資元本にも関わらず、最終的なリターンは一括投資が大きく上回る結果となりました。


相場の大きな波と投資結果への影響

20年間のチャートを振り返ると、世界的な経済ショックやイベントが投資結果に大きく影響したことがわかります。

1. ITバブル崩壊後の低迷期(2003年〜2007年)

シミュレーション開始当初、株価はまだITバブル崩壊の影響を引きずっていました。しかしその後、S&P500は安定した上昇基調に入り、一括投資は早い段階から資産を大きく増やしていきます。積立投資はこの上昇局面でコツコツ資金を投じたため、着実に評価額を積み上げました。

2. リーマンショック(2008年)

2008年のリーマンショックでは、株価が急落し一括投資の資産は大きく目減りしました。しかし積立投資は安値で買い増しできたことで、長期的には有利に働きました。この局面では積立投資の「時間分散効果」が力を発揮したといえるでしょう。

3. 欧州債務危機・チャイナショック(2011年・2015年)

いずれも株価は一時的に大きく下落しましたが、その後は回復基調に転じました。一括投資は含み益が減る局面もありましたが、長期的には右肩上がりの流れに乗り続けることができました。

4. 米中貿易摩擦・コロナショック(2018年・2020年)

2018年の米中貿易摩擦、そして2020年のコロナショックでは株価が急落。しかしコロナ後の急反発は記録的なもので、一括投資の評価額は一気に跳ね上がりました。積立投資も恩恵を受けましたが、元本をすでに投じ終えていた一括投資ほどの爆発力はありませんでした。

5. 金融引き締め・地政学リスク(2022年)

2022年はアメリカの急速な利上げやウクライナ侵攻、中国のロックダウンなどが重なり株価が大きく下落。一括投資は評価額の上下動が激しかった一方、積立投資は比較的安定した推移を見せました。


一括投資と積立投資の比較ポイント

今回のシミュレーションから見える特徴を整理します。

  • 一括投資
    • 長期的に上昇相場が続いたため、リターンは圧倒的に大きい
    • ただし短期的な暴落では資産が大きく減るリスクあり
  • 積立投資
    • 暴落局面で安値買いができるため心理的に安心感がある
    • しかし大きな上昇相場では一括投資に比べてリターンが劣後しやすい

まとめ:リスクとリターンのバランスをどう取るか

2003年〜2022年の20年間という長期スパンでは、一括投資が積立投資を大きく上回る結果となりました。これは長期的に米国株式市場が力強く成長したからにほかなりません。しかし、この道中にはリーマンショックやコロナショックといった歴史的な暴落があり、一括投資をしていた場合には一時的に資産が半分以下になるような辛い局面も経験したでしょう。

一方で積立投資は、そうした局面で淡々と買い続けることで平均取得単価を下げ、安定感をもって資産形成を進めることができます。最終的なリターンは小さくても、「投資を続けやすい」というメリットは見逃せません。

結局のところ、どちらが正解かは投資家自身のリスク許容度や投資スタイルによって異なります。大きなリターンを狙いたいのか、それとも安定感を優先したいのか。今回のシミュレーションが、あなたの投資スタイルを考える参考になれば幸いです。

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