投資の世界では「一括投資」と「積立投資」のどちらが有利かという議論がよく取り上げられます。今回はS&P500に対して1998年から2017年までの20年間を対象にシミュレーションを行い、一括投資と積立投資を比較しました。実際の値動きを反映したデータをもとにしたため、当時の大きな経済イベントによる影響もしっかり見えてきます。初心者の方にもわかりやすいように、チャートの上昇・下落を丁寧に解説していきます。
シミュレーションの条件
- 投資対象:S&P500
- 投資期間:1998年~2017年の20年間
- 一括投資:初期に約503万1,000円をまとめて投資
- 積立投資:初期投資0円からスタートし、毎日1,000円を20年間積み立て(合計約503万1,000円)
- 実質コスト:年率0.104%を考慮
この条件のもとで、最終的な評価額を算出しました。
結果概要
シミュレーション結果は以下になります。

- 一括投資
- 最終評価額:約1,351万円
- 利益額:約848万円
- 積立投資
- 最終評価額:約1,014万円
- 利益額:約511万円
どちらの手法も長期的にはプラスとなりましたが、一括投資の方が最終リターンは大きくなっています。ただし、投資の過程では大きな値動きにさらされるため、そのリスクの違いも重要です。
チャートから読み解く値動き
ITバブルの上昇(1998年後半~2000年頃)
IT関連株が急騰し、S&P500も大きく上昇しました。一括投資をした場合、この時点で資産は大きく増加。積立投資も恩恵を受けましたが、スタート直後で投資額が小さかったため、効果は限定的でした。
ITバブル崩壊(2000年~2002年)
バブル崩壊により株価は急落。一括投資は大きな含み損を抱え、投資家心理としては非常に厳しい時期でした。一方、積立投資は下落局面で安く買い続けられたため、その後の回復時にプラスに働きました。
リーマンショック(2008年)
世界的な金融危機によって株価は再び大暴落。ここでも一括投資は大きなドローダウンを経験します。積立投資は継続して買い下がることができるため、将来の回復に備える形となりました。
欧州債務危機(2011年)
ギリシャを中心とした欧州の財政不安が市場を揺るがしましたが、影響は一時的。その後の回復は力強く、長期保有のメリットが再び発揮されました。
チャイナショック(2015年)
中国経済の減速懸念で市場が動揺しましたが、大きな崩壊には至らず、S&P500は再び上昇基調を取り戻しました。
一括投資と積立投資の特徴
一括投資の魅力とリスク
- 早期に資金を投入するため、長期の上昇トレンドを最大限に享受できる。
- その一方で、暴落直前に投資を始めた場合は大きな含み損を抱えるリスクがある。
今回のシミュレーションでは、最終的に積立投資よりも大きな利益を得ましたが、途中で大きな下落を経験した点も見逃せません。
積立投資の魅力とリスク
- 下落局面でも安く買い続けることで、平均購入単価を下げられる。
- 精神的な安心感があり、初心者にも取り組みやすい。
- ただし、上昇相場では一括投資にリターンで劣ることが多い。
まとめ
1998年~2017年の20年間という激動の時代においても、S&P500は長期的には成長を続けました。
- 一括投資はリターンが大きいがリスクも大きい
- 積立投資は安定的で再現性が高い
初心者の方が投資を始める際には、リスク許容度を見極め、自分に合った方法を選ぶことが大切です。歴史的な暴落や危機を経ても回復してきたS&P500の強さは、長期投資の有効性を改めて示しているといえるでしょう。


コメント