S&P500 一括投資 vs 積立投資|20年間のチャートシミュレーション(1997~2016年)

S&P500 20年

投資を始めるとき、多くの人が悩むのが「一括投資」と「積立投資」のどちらを選ぶべきか、という問題です。今回は、1997年から2016年までの20年間を対象に、S&P500に対して一括投資と積立投資を行った場合のシミュレーション結果を紹介します。

この期間は、ITバブルの急騰と崩壊、リーマンショック、欧州債務危機、さらにチャイナショックといった世界経済を揺るがす出来事が相次ぎました。激しい上昇と下落を繰り返す中で、一括投資と積立投資の成果にどのような違いが出たのでしょうか。


シミュレーション条件

  • 積立投資
    初期投資額は0円からスタート。20年間、毎日1,000円ずつ積み立てを継続。合計積立額は 約503万3千円
  • 一括投資
    初めに 約503万3千円を一括投資。その後は追加投資なし。
  • コスト
    両方とも、年間 実質コスト0.104% を考慮。現実の投資信託と同じように、手数料負担を反映させています。

一括投資と積立投資の結果比較

シミュレーションの結果は以下の通りです。

  • 一括投資
    • 最終評価額:約 1,497万円
    • 損益額:約 994万円
    • 最大評価額:約 1,520万円
  • 積立投資
    • 最終評価額:約 890万円
    • 損益額:約 388万円
    • 最大評価額:約 903万円

20年間というスパンで見ると、一括投資が積立投資を大きく上回るリターンを出しました。特にこの期間は、投資初期に大きな上昇相場(ITバブル)があり、その恩恵を一括投資がしっかり取り込んだことが結果に大きく影響しています。


チャートで振り返る大きな出来事

ITバブルの急騰と崩壊(1997年~2002年)

1990年代後半はインターネット関連株の急騰で株式市場が大きく伸びました。赤い一括投資のラインは一気に上昇し、大きな含み益を抱えます。しかし2000年から始まったITバブル崩壊で急落。一括投資は大きな損失を抱える期間が続きましたが、積立投資は下落局面で安く買い増す効果が働きました。

リーマンショック(2008年)

2008年のリーマンショックでは、世界的な金融危機により株価が暴落。一括投資は含み益を大きく失い、一時は大きなマイナスに沈みました。一方で積立投資は安値でコツコツ買い続けることができ、ダメージを和らげる結果となりました。

欧州債務危機とチャイナショック(2011年~2015年)

欧州の信用不安や中国経済の減速が懸念され、市場は不安定な動きをしました。それでもS&P500は長期的に成長を続けており、特に一括投資は含み益を大きく伸ばしていきました。


一括投資と積立投資のメリット・デメリット

  • 一括投資のメリット
    • 上昇相場の初期に投資すると、圧倒的なリターンが期待できる
    • 資産を長期間市場にさらすことで、複利効果を最大限活かせる
  • 一括投資のデメリット
    • 投資直後に暴落すると、長い期間含み損を抱える可能性がある
    • 精神的な負担が大きく、途中で売却してしまうリスク
  • 積立投資のメリット
    • 下落局面で安く買い増しできる「ドルコスト平均法」の効果
    • 相場のタイミングを気にせず投資できるため、心理的に安心
  • 積立投資のデメリット
    • 一括投資に比べるとリターンが抑えられるケースが多い
    • 上昇相場の初期にまとまった投資ができないため、利益の伸びが小さい

投資初心者へのメッセージ

今回の1997年~2016年のシミュレーションでは、一括投資が積立投資を大きく上回るリターンを残しました。しかし、この結果は「相場のタイミング」に大きく依存しています。

もし投資初期にリーマンショックのような暴落が起きていたら、一括投資は大きな損失を抱え続け、積立投資が有利になる可能性も高かったでしょう。

投資において重要なのは「未来の相場を完璧に予測することはできない」という点です。そのため、多くの初心者にとっては積立投資の方が現実的で安心できる選択肢になります。


まとめ

  • 1997年~2016年の20年間では、一括投資が積立投資を大きく上回るリターンを記録
  • ITバブルやリーマンショックなど、大きな波乱相場が続いたが、長期的にはS&P500は成長を続けた
  • 一括投資は「タイミング次第」で大きなリスクを伴うが、成功すればリターンは絶大
  • 積立投資はリスクを分散しながら安定的に資産を増やす方法で、特に初心者に適している

投資には「夢」と「リスク」が常に隣り合わせに存在します。大切なのは、自分のリスク許容度に合った投資方法を選び、長期的に続けることです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました