投資を始めるとき、多くの人が悩むのが「積立投資」と「一括投資」のどちらを選ぶべきかという点です。安定性を重視すれば積立投資、リターンを追求するなら一括投資、と一般的には言われていますが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、NASDAQ100に対して2004年から2023年までの20年間でシミュレーションを行い、その結果を詳しく解説します。
シミュレーション条件
- 対象:NASDAQ100
- 期間:2004年~2023年(20年間)
- 積立投資:初期投資額0円から開始し、毎日1,000円を20年間積み立て。合計約503万2千円
- 一括投資:2004年初めに約503万2千円を一括で投資、その後の追加投資はゼロ
- 実質コスト:年率0.323%を考慮
シミュレーション結果
シミュレーション結果は以下になります

- 積立投資
最終評価額:27,846,181円
損益額:+22,814,181円 - 一括投資
最終評価額:54,218,359円
損益額:+49,186,359円
20年間という長期スパンでは、やはり一括投資の爆発力が際立っています。積立投資も元本の5倍以上という驚異的な成果ですが、一括投資はその倍近い水準まで伸びており、改めて株式市場の成長力を感じさせる結果です。
相場の大きな転換点と投資成果
20年間の間には、世界経済を揺るがすような大事件がいくつもありました。それぞれの局面で、積立と一括がどのように影響を受けたのかを解説します。
① リーマンショック(2008年)
リーマンショックでNASDAQ100は大きく下落しました。一括投資は大幅に評価額が減少し、精神的なダメージは甚大でした。一方、積立投資は安値でコツコツ買い増せたため、長期的にはその後の回復相場でプラスに働きました。
② 欧州債務危機(2011年)
この時期も相場は不安定でした。一括投資はリスクを直撃しましたが、積立投資は「時間の分散効果」でリスクを軽減し、緩やかに評価額を増やしました。
③ チャイナショック(2015年)
中国経済の減速懸念で株価は急落しましたが、積立投資は安値買いの効果が出て、長期的なリターン向上につながりました。一括投資は再び大きな含み損を抱える場面がありました。
④ 米中貿易摩擦(2018年)
米中関係の悪化で大幅な下落局面がありましたが、NASDAQ100は比較的早く回復。一括投資は評価額の上下が激しい一方、積立投資は淡々と資産を積み上げ続けました。
⑤ コ〇ナショック(2020年)
急落からの急回復という非常に劇的な相場でした。一括投資は一時的に大きな含み損を抱えましたが、その後のハイテク株の急伸で急速に回復。積立投資もこの局面で「安く買えた」ことで長期的なリターンがさらに押し上げられました。
⑥ 米国金融引き締め・ウクライナ侵攻・中国ロックダウン(2022年)
世界情勢と金融引き締めの影響でNASDAQ100は大きく調整しました。一括投資は短期的に評価額が大きく落ち込みましたが、積立投資は相場低迷期に買い増しができたため、むしろ将来の伸びしろを確保できる結果となりました。
一括投資と積立投資の特徴を比較
一括投資のメリット・デメリット
- メリット
・相場が長期的に右肩上がりなら、リターンは積立を大きく上回る
・早い段階で資産を市場に晒すことで「時間を味方」にできる - デメリット
・投資直後に暴落すると大きな含み損を抱える
・精神的に耐えられず途中で売却してしまうリスク
積立投資のメリット・デメリット
- メリット
・相場下落時に安く買える「ドルコスト平均法」の効果
・精神的負担が小さく、継続しやすい
・暴落時も「買い時」と捉えやすい - デメリット
・長期的な上昇相場では一括投資に比べてリターンが劣る
・資産形成のスピードは緩やか
まとめ:あなたに合う投資スタイルは?
2004年~2023年のシミュレーションでは、一括投資が積立投資を大きく上回るリターンを示しました。しかし、暴落期のメンタル的な耐性や、余剰資金をどのように活用するかといった「投資家自身の性格」によって、最適な選択は変わります。
- リターン最大化を狙いたい人 → 一括投資
- 安心して長期投資を続けたい人 → 積立投資
大切なのは、自分に合った投資方法を選び、20年という長期で市場に資金を置き続けることです。NASDAQ100の成長力は非常に大きく、どちらの方法でも元本の何倍にもなる可能性があることが今回のシミュレーションからもわかります。


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