投資を始めるときに誰もが悩むのが、「一括投資」と「積立投資」のどちらを選ぶべきかという問題です。まとまった資金を一度に投入すべきか、それとも時間を分散しながらコツコツ積み立てるべきか。この記事では、2005年から2024年までの20年間を対象に、NASDAQ100に一括投資と積立投資を行った場合のシミュレーション結果をご紹介します。
シミュレーション条件
- 対象:NASDAQ100
- 期間:2005年〜2024年(20年間)
- 積立投資:初期投資0円、毎日1,000円を積み立て(総投資額:約503万2,000円)
- 一括投資:約503万2,000円を初期時点で投資
- 実質コスト:年率0.323%を考慮
結果概要
シミュレーション結果は以下になります

- 積立投資
- 総投資額:約503万2,000円
- 最終評価額:約3,155万円
- 損益:約2,652万円
- 一括投資
- 投資額:約503万2,000円
- 最終評価額:約6,179万円
- 損益:約5,676万円
一括投資はリターン面で積立を大きく上回る結果となりました。ただし、この数字の背景には大きな価格変動が隠されています。
チャートから読み解く価格変動の特徴
2008年:リーマンショック
2008年のリーマンショックではNASDAQ100も大きな打撃を受けました。一括投資の場合、当時の含み損は非常に大きく、精神的に耐えるのが難しい場面だったでしょう。対して積立投資では下落局面で多くの口数を購入できたため、その後の回復時にプラス効果を発揮しました。
2011年:欧州債務危機
欧州を中心とした信用不安が世界市場を揺るがしました。一括投資は評価額が大きく減少した一方で、積立投資は下値で購入を続け、長期での安定性が目立ちました。
2015年:チャイナショック
中国経済の減速懸念で市場全体が不安定になりましたが、ここでも積立投資はリスク分散の強みを見せています。一括投資はリターンが膨らむ一方で、暴落時の振れ幅が極端に大きいことがデータから読み取れます。
2018年:米中貿易摩擦
米中関係の悪化によって再び大きな調整が発生。一括投資は大幅な含み損を経験する場面もありました。積立投資はその後の回復相場でリターンを少しずつ積み上げています。
2020年:コ〇ナショック
世界的な株価急落が発生しました。一括投資は再び急落の影響を強く受けましたが、その後のハイテク株主導の大幅反発で一気にプラス圏に戻りました。積立投資は安値で買い増しできたため、効率良く資産を増やす結果となりました。
2022年以降:金融引き締め・ウクライナ侵攻・中国ロックダウン
世界的な不透明感が続き、株価は上下を繰り返しました。一括投資は短期的には評価額が大きくブレますが、長期で見ると依然として高いリターンを維持。積立投資も安定した成長を見せていますが、最終的にはリターンの差が広がる結果となりました。
一括投資と積立投資の特徴を比較
- 一括投資
- メリット:長期的に見れば最も大きなリターンを得られる
- デメリット:暴落時の含み損が非常に大きく、心理的負担が強い
- 積立投資
- メリット:リスクを分散し、暴落時でも買い増し効果が働く
- デメリット:最終的なリターンは一括投資より小さくなりやすい
投資家が学ぶべきポイント
- 資金に余裕があり、長期で市場に居続けられる覚悟があるなら一括投資が有利
→ 長期的な株価成長を最大限享受できる。 - 精神的な負担を軽減しつつ、安定的に投資したいなら積立投資
→ 下落局面で安く買えるため、初心者や中長期の安定志向に向いている。 - ハイブリッド戦略も選択肢
→ まとまった資金の一部を一括で投資し、残りを積立に回すことで、リターンと安定性の両立を狙える。
まとめ
2005年から2024年までのNASDAQ100のシミュレーションでは、一括投資が積立投資を大きく上回る結果となりました。ただし、その裏にはリーマンショックやコ〇ナショックといった大きな下落を耐え抜く必要があります。積立投資はリターンこそ控えめですが、長期的に安定して資産を増やす手段であることが改めて示されました。
投資において「正解」は人それぞれ異なります。大切なのは、自分のリスク許容度やライフスタイルに合った投資方法を選ぶことです。この記事のシミュレーションが、皆さんの投資判断の参考になれば幸いです。


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